ちょっとしたゲーム的な何か(第2回)

ちょっとしたゲーム的な何か(第2回)

アプリ開発のお話をいただくときに、機能の1つとして担当の方から「ちょっとしたゲーム的な何か」というものをオーダーされることがよくあります。せっかくアプリを作っても使ってもらえなければ意味がないので、利用を促すための施策としてそういったものが期待されるのは当然かもしれません。

一昔前だと「ゲーミフィケーション」といった言葉が流行ったりもしましたが、ランチェスターがこれまでいくつかの案件で取り組んできた課題でもあり、オムニチャネル系アプリではよく話題になるトピックです。しばらくこの「ちょっとしたゲーム的な何か」について書いてみようと思います。

というシリーズの第2回。今回はチェックインに関するお話です。くじ引き的な何かについて書いた第1回はこちら

 

チェックイン的な何か

来店時にアプリを起動して来店したことを知らせる(=チェックイン)ことで、ポイントがもらえたりする仕組みのことです。

チェックインを検知する方式や施策の内容によって自動だったり手動だったりしますが、MUJI passportの事例が有名なので、アプリを起動して近隣の店舗を選んでチェックインする方式を思い浮かべる方は多いでしょう。

ゲーミフィケーション的な要望として「ポケモンGOのような何か」というお話が出ることも多々あったりしますが、これら位置情報ゲームと呼ばれるもののベースになっているのはチェックインと同じ機構です。広い意味では「チェックイン的な何か」に分類されるかもしれません。さすがにポケモンGOは全くもって「ちょっとしたゲーム」ではありませんが。

※写真はイメージです

基本的には店舗への「来店」と紐付ける前提なので、実店舗をお持ちの業種向けのアプリで検討に挙がる機能です。

 

チェックインしてもらう目的

方式はいろいろありますが、最終的にはお店に来てチェックインをするわけですから来店促進が目的、という話になりがちですが、必ずしもそうとは限りません。

例えばMUJI passportのチェックイン機能の場合は来店・購買促進だけが目的ではありません。あえてチェックイン可能な店舗までの距離を半径600mと広めにすることで、チェックイン機会を増やしてアプリの起動頻度を上げることや、そうすることでお客様の行動範囲やルートの情報を得ることも狙っています。それを分析に活用しようと考えているわけです。購買前行動の把握・分析はオムニチャネルの分野では共通の大きな課題でもあり、MUJI passportがそこにフォーカスしてチェックイン機能のことを考えているのも納得がいく話です。

※写真はイメージです

これらの目的設定は店舗で扱っている商品の購入頻度や、通常の来店頻度によっても変わってきます。もともと季節毎にしか来店や購買の動機がない業種で毎日来店を促進しても意味がないので、この場合はMUJI passportのような目的設定が合っているかもしれません。

逆にコンビニやスーパーのように日常的に行く業種であれば、来店や購買を促進することが目的としては強くなるでしょう。

また目的によってチェックインを行う方式の選択基準も変わってくると思います。方式については様々な手法がありメリット・デメリットもそれぞれあるため、次回はそれについて書きたいと思います

 

インセンティブの設計が難しい

インセンティブ(報酬) としてポイントを付与する形がメジャーですが、前回書いたくじ引きのパターンと違いユーザー数の増加やチェックインの利用頻度に比例して必要な報酬総量が増えてしまうので、現金等価なポイントを付与するパターンだと予算オーバーなどのリスクがあるのが難点と言えます。

また、ポイント付与を直接インセンティブにすると後々で付与料率を変えにくくなることも課題になるでしょう(たいていは料率を下げる変更なので顧客離反につながる可能性が高いから)。

対策として例えばチェックインとくじ引きを組み合わせることで、インセンティブの総量をコントロールしやすくする手法が考えられます。これはヤマダ電機の店頭端末にアプリのバーコードをかざして楽しめる来店ポイントスロットが代表的です。いわゆる(物理的な)ポイントカードやガラケーでも利用できたかなり前からある仕組みですが、カード番号でお客様がどの店舗に来店されたかチェックできているので、機構としてはチェックインと同じです。最近、来店時にアプリやポイントカードのバーコードをかざすことでクーポンを入手できる店頭端末が導入されているドラッグストアのチェーン店等をみかけますが、これも同じタイプと考えてよいと思います。

ちなみにチェックイン機能の代表例とも言えるMUJI passportの場合は、商品購入時に現金の代わりに使えるポイントが直接貯まるわけではなく、ポイントに変換可能な「マイル」が貯まる仕組みです。

1回のチェックインで10マイル貯まりますが、ポイントに変換するには最低20,000マイル必要なので、もしチェックインだけで貯めようと思うと2,000回以上のチェックインをする必要があります。しかもマイルは1年でリセットされてしまいますので、そもそも純粋にチェックインだけでポイントを得ることは難しい設計になっています。

現在のMUJI passportは基本的に購入によってマイルが貯まる流れですが、もともとは買い物以外の様々なアクション(口コミ投稿やECサイトの商品への「ほしい!」ボタンの利用など)でもマイルを貯めることができるようになっていました。当初はチェックイン単体でインセンティブの設計していたわけではないということです。このあたりにもチェックインを直接的な来店や購買に直結させようとはあまり考えていなかったことがうかがえます。

 

ただ、MUJI passportのチェックインには「スタンプ帳」という別の動機付けが用意されています。こういったリアルな報酬と紐付かない、アプリ内で完結するお楽しみ要素と結びつけた仕掛けとの組み合わせがチェックインの場合はやりやすいと個人的には考えています。これらはいわゆるゲーミフィケーションに分類されると思いますが、別の機会に詳しく書いてみるつもりです。

 

実現の課題

チェックインの方式によって実装方法が変わってしまうので、基本的にはカスタマイズ開発が必要です。弊社のEAPでも今のところオプションメニュー化するまでには至ってないのでカスタマイズ開発になりますが、ランチェスターではチェックイン機能の企画・実装事例をいくつか持っていますので、実現方式の検討やインセンティブの設計も含めてサポートさせていただくことが可能です。お気軽にお問い合わせ下さい

 

画像はいらすとやさん、ぱくたそさんのフリー素材を使わせていただきました。

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篠キチ
Planner 篠キチ shinokichi

約3年半にわたり君臨したランチェスター最年長の座を譲り、今はただの猫・鉄道・Perfume好きな不惑おじさん。好きなスタバオーダーはクワットロベンティノーホイップソイホワイトモカ。