ちょっとしたゲーム的な何か(第1回)

ちょっとしたゲーム的な何か(第1回)

アプリ開発のお話をいただくときに、機能の1つとして担当の方から「ちょっとしたゲーム的な何か」というものをオーダーされることがよくあります。せっかくアプリを作っても使ってもらえなければ意味がないので、利用を促すための施策としてそういったものが期待されるのは当然かもしれません。

一昔前だと「ゲーミフィケーション」といった言葉が流行ったりもしましたが、ランチェスターがこれまでいくつかの案件で取り組んできた課題でもあり、オムニチャネル系アプリではよく話題になるトピックです。しばらくこの「ちょっとしたゲーム的な何か」について書いてみようと思います。

 

くじ引き的な何か

ゲームと呼ぶほどではありませんが、アプリの利用を促す施策として比較的よく使われるのが「くじ引き」の類いです。1日1回抽選に参加することができ、当選するとクーポンやポイントがもらえるというパターンが王道な感じですね。演出はスロットマシーンだったりあみだクジだったり色々ですが、基本的には画面を開くかボタンを押せば完了する簡単な仕組みです。

これはWebでも古くからある定番の施策で、有名どころでは楽天ラッキーくじが挙げられると思います。実は楽天グループの各サイト毎にびっくりするほどのラッキーくじがあり、ラッキーくじ一覧ページまで用意されています。

楽天市場アプリにはアプリ版ラッキーくじもありますし、ラッキーくじアプリというくじを引くこと自体が目的化したアプリまでリリースされています。

 

施策の目的とかメリットとか

アクティブ率を上げること、と言っていいでしょう。くじ引きの景品を呼び水にしてアプリを起動してもらえるようにしなくてはいけないので、そう思ってもらえるようなそれなりの報酬を用意することが必要になります。

あまり手間がかからずサクッと終わることも、毎日起動してもらう動機とするなら重要なポイントです。Push通知を組み合わせてくじ引きを告知し、アプリを開くときはディープリンクで直接くじ引きの画面が開くようにする、という感じに快適に利用してもらえる仕組みづくりも大切です。

この施策には呼び水となる報酬の原資が比較的リーズナブルに抑えられ、予算も決めやすいという利点もあります。

例に挙げた楽天市場アプリ版ラッキーくじの場合、1等500ポイントが毎日1名様となっていて、1日に配布するポイント総額は10,000ポイント(=10,000円相当)になっています。1ヶ月で30万円くらいの予算ということです。当選数の上限が決まっているのでこれ以上に費用がかかることはありませんし、楽天市場の規模を考えるとかなり費用を抑えた施策と言えるのでは? と思います。

 

くじ引いて終わりでは意味がない

アプリのアクティブ率を上げることが目的とはいえ、くじを引いてすぐアプリを閉じられてしまっては意味がありません。アクティブ率を上げること“だけ”を目的にしてしまってはいけません。そのあとアプリを巡回してもらえるような工夫はしておく必要があります。

ECサイトと連携しているアプリであれば、くじ引きの結果画面でおすすめの商品の情報を表示しておくべきでしょうし、ポイントやクーポンが当たったときはユーザーのテンションが上がっている可能性が高いので、そのときにおすすめする商品は別に用意しておくなどの施策も考えられます。

結果画面での情報の見せ方をユーザー毎に変えるのも有効でしょう。ランディングページの1種と考えて、この部分の効果をきちんと計測しながらいろんなパターンを試せるようにしておくのがよさそうです。

 

抽選方法を工夫する

くじ引きというと単純にアクセスがあるたびに一定確率で抽選をかければよいように考えがちですが、このやり方では早い時間帯のアクセス状況によっては当選が出尽くしてしまう可能性があります。これをある程度均等にする方法として時間帯別に当選数を割り当てておくパターンや、アクセスのたびに抽選するのではなくあらかじめ全ユーザーに対して抽選を済ませておいて、ユーザーがくじ引きを実施したときに抽選済みの内容に基づいて結果を表示するという方法も考えられます。(後者の方法は当選本数や当選確率の表示に配慮が必要になるかもしれませんので、実施される場合はご注意ください)

当選をある程度均等にすることができれば、くじ引きを促すPush通知も全ユーザーに一斉に送ったりせず時間帯を分けて送ってもユーザーが不公平さを感じることは少なくなるでしょうし、何よりサーバ負荷を抑えることができというコストメリットもあります。
Push通知によるアクセス集中はアプリ運営面で大きな課題になります

 

別の課題として、くじ引きを何度引いてもハズレが続くとアプリを起動する動機が下がってきて、最終的にはサービスからの離脱する要因になってしまう懸念もあります。

かといって、ハズレが続いているユーザーやお得意さんにシステム側が恣意的に当選を出してしまうのはさすがに問題ありそうです。例えば、ハズレが続いても毎日くじを引いていれば当選が出るまでの間は当選確率が2倍・3倍と毎日上がっていくという仕掛けを作るなどして、くじを引いてもらうモチベーションを維持できるようなルールを入れておく方法も考えられます。このあたりは当選本数が3倍になるキャンペーンとか、施策にメリハリをつける工夫と合わせていくとよさそうです。

 

次回予告

次回は実店舗がある場合によく依頼される「チェックイン」的な何かについて考えてみたいと思います。

 

画像はいらすとやさん、ぱくたそさんのフリー素材を使わせていただきました。

TAG

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
篠キチ
Planner 篠キチ shinokichi

約3年半にわたり君臨したランチェスター最年長の座を譲り、今はただの猫・鉄道・Perfume好きな不惑おじさん。好きなスタバオーダーはクワットロベンティノーホイップソイホワイトモカ。