上海アリペイ体験記

上海アリペイ体験記

実は前回、WeChat Payを使って自販機で買った缶コーヒーを空港でボッシュートされていた篠キチです。空港の荷物検査のお姉さんに「コレ、ダメよ!」といい年こいて怒られてきました。萌え。

 

さて今回は中国のアプリ決済市場でWeChat Payと双璧をなすAlipay(支付宝)の話です。

WeChat Payについては軍曹ことチケットストリートの西山さんに助けていただいて、自分でも決済を体験することができましたが、Alipayはそれができなかったので、しょぼんさんの元同僚である張さんに協力していただいて、現地の無印良品で実際にAlipay決済するところをみせてもらいました。

これも前回同様、決済の様子を動画におさめてみたのでご覧下さい。

注目していただきたいのは、レジでバーコードを読み込んだ後の画面の変化です。

バーコードリーダーでピッと読み込んだ後、ものの1秒ほどで決済完了通知がアプリに表示されています。レジで決済が通った後、その情報が無印良品のPOSを通ってAlipayのシステムに送られ、アプリに通知される。この処理にかかる時間が1秒。

システムがAlipay専用なら大した話ではありませんが、レジの様子を見る限りAlipay専用の決済システムを外付けしてるわけではない感じがします。(商品のバーコードも同じリーダーで読んでいるので)

まあ機械が新しそうですし、Alipayとのシステム連携が最初からしっかり考えられた作りのシステムなのかもしれませんが、それにしても早い。

日本のPOSは結構古くからあるシステムがそのままのところも多いので、仮にレジの機械が新しくても裏側のシステムが古かったりして、こういう仕組みは意外と作るの大変だったりしそうです。

 

Alipayが生み出す新しい顧客体験

もう1つ注目すべきなのは、その決済完了通知が表示されて2、3秒後に画面下部に表示される無印良品のバナー。これは無印良品のMUJI PASSPORTのAlipay版の案内です。

AlipayもWeChat Pay同様にiOSに昔あったPASSBOOKみたいな機能があって、各種ポイントカードをAlipay内に登録して管理することができます。

この案内が決済完了後にすぐ送られてきて、タップするだけでMUJI PASSPORT登録完了。この顧客体験はすごい。

決済前にアプリを入れてもらうのはなかなかハードルが高いですが、使い慣れた決済手段を使った直後にポイントカードが送られてきて、「いま買った商品のポイントがすぐつきますよ? どうですか?」と案内してくるのがとても自然。サービスとしてよくできている感じがします。

システム的にもAlipayのシステムが受け取った決済情報から無印良品での購入であることを判断して、そのユーザーの決済完了通知画面上に即座に案内を送っていて、これも作ろうと思うと意外と大変。リアルタイム性を出すのが。

これをサラッとやってくるあたり、アプリ決済では日本は完全に置いてかれていて、どんどん差が広がっていくなと感じてしまいました。

 

日本もアプリ決済前夜?

Alipayは日本でもLAWSONをはじめとして導入している店舗が増えてきていて、日本国内でAlipayのアプリを起動するとこんな感じで日本ローカルな情報出てきます。

Alipay App

日本人がAlipayを使うことはできないので、今のところはいわゆるインバウンド向けの施策の域は出ませんが、利用できる店舗が増えたところで日本人にも利用が解放されると、アプリ決済のプラットフォーム市場を一気に持っていかれる可能性もあるわけで。そういう意味でも、ただぼーっと眺めているわけにはいかないなあと思います。

 

※写真素材は前回の記事に続いて毎度おなじみフリー写真素材ぱくたそ現役グラドル茜さやさんフリー素材を使わせていただきました。

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篠キチ
Planner 篠キチ shinokichi

約3年半にわたり君臨したランチェスター最年長の座を譲り、今はただの猫・鉄道・Perfume好きな不惑おじさん。好きなスタバオーダーはクワットロベンティノーホイップソイホワイトモカ。