入力の感触とUIのはなし

入力の感触とUIのはなし

ファミコンより余裕で年上の篠キチです、こんばんは。気づいたら半年もブログ書いてなかった。。

僕の身に何も無ければこの記事が公開される前日に発売予定の、ちっちゃいファミコンでおなじみのニンテンドークラシックミニが自宅に届いているはず。いや、何かあっても届くと思いますけど。

もし記事公開日に僕が出社していなかったら確実にこのせいです。個人的にはブラジルで発表されたという新型メガドライブも気になってはいますが。

さて、ファミコンといえばコントローラ。十字ボタン。この発明が当時のゲームの発展に大きく寄与したのは言うまでもないでしょう。

 

感触の重要性

入力インターフェースの重要な要素として「押した感触があるかどうか」というのがあります。人が機械に自分の意思を伝えるときに、人側の操作が完了したことを体感できることは安心感につながります。

PCのキーボードにしてもゲームのコントローラにしても、触るだけでOKなものを作ることは技術的には何の問題もありません。でも押した感触がないインターフェースの場合、そもそも自分がちゃんと操作できたのか、それとも操作はできたが機械にうまく伝わっていないのか、このあたりが把握できずにストレスがたまります。少なくとも自分はちゃんとやった! ということをユーザーが実感できるかどうかというのは、UIを考える上で意外と重要な要素です。

また、十字ボタンが素晴らしいのはゲームの画面に夢中になって手元を全く見ていなくても、手触りでボタンの位置を把握して入力できるという点。十字の形状のおかげですぐにセンター位置に指を戻すことができますし、同時押しによる斜め入力もしやすいです。この誰にでもすぐに使えてストレス無く扱えるコントローラの存在は、ファミコン普及の大きな要因の1つだったと思います。

 

スマホはどうか?

この点はスマホの弱点ともいえるかもしれません。

最近ではiPhone7のホームボタンが物理ボタンから感圧式に変わりましたが、あの押した感の無さに違和感を覚えるのは僕だけではないでしょう。慣れの問題もあると思いますが。

これを補助するために振動のフィードバックがありますが、押した体感は入力前か入力と同時に得られるものなので、反応として返ってくるものとは根本的に違います。補助にはなるが代替はできないというのが個人的な感想です。

 

物理的な制約に合わせてUIは考え直すべき

iPhone7のホームボタンはこれまで物理ボタンだったものを継承しているため、基本的な挙動を大きく変えることができないという制約があったと思います。

しかしこの点をもし無視できるなら、感圧式にした段階で押した感触が得られなくても、その代わりに振動という形で反応を返さなくても違和感のないインターフェースを、イチから考え直すべきだったのでしょう。

またスマホやタブレット端末にあるソフトウェアキーボードはモノとしてのキーボードを模していますが、これも「感触」がないためにキーの部分を見て目的の字を押せたかどうかを確認しないといけないので、普段タッチタイプをしてる人は特にストレスを感じてしまいます。

キーボードにはホームポジションを確認するために「F」「J」に突起がついています。そういえばガラケーにも「5」キーに突起がついてたりしましたが、こういった他愛もない機構がストレスのないインターフェースを実現するために欠かせなかったりします。

僕はiPhoneのフリック入力のUIがとても好きでiPhone3GSの頃からヘビーに使い込んでいるので、かなりのスピードで入力ができます。押した感触がないという点ではフルキーのソフトウェアキーボードと変わらないのですが、フリックは片手でも入力できるので、iPhoneの持ち方が固定されていればそれぞれのボタンの位置にかなりの精度で指を運べるのであまりストレスがありません。

しかし、これもiPhone6Sに買い換えたときに端末の横幅が変わって慣れた感覚がズレたのと、片手持ちでは端まで指が届きにくくなってフリックの入力ミスが増えてしまい、いまだにストレスを感じています。端末の幅がインタフェースを変えてしまったわけで、この状況に合わせた新しいUIが出てくるか、僕がiPhoneSEのように元の横幅の端末に買い換えるかしないとおそらく解消しない問題です。

 

VRのインターフェース

さて世の中ではVRが大流行の兆しを見せていますが、今後この分野では映像表現そのものよりもインタフェースの重要性が問われてくると思っています。

直近では何かのデバイスを持たせてインタフェースを取る方法が主流でしょうが、没入型のVRであれば手ぶらの状態でもその世界とのインターフェースを違和感なく取れることが求められてきます。この新しい時代の表現方法にあったUIには、これまでの延長線上にない新しい発想が求められるのも間違いないでしょう。そういうものをおっさんになっても考え続けていきたいものだと、すぐ痛くなる腰やらヒザやらを抱えながら思う日々です。

※写真素材は前回の記事に続いて毎度おなじみフリー写真素材ぱくたそ現役グラドル茜さやさんフリー素材を使わせていただきました。半年ぶりですが。

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篠キチ
Planner 篠キチ shinokichi

約3年半にわたり君臨したランチェスター最年長の座を譲り、今はただの猫・鉄道・Perfume好きな不惑おじさん。好きなスタバオーダーはクワットロベンティノーホイップソイホワイトモカ。