何が欲しいかわからないユーザーにインタビューするのはなぜか

何が欲しいかわからないユーザーにインタビューするのはなぜか

スティーブ・ジョブズがクレイジーだったからといって、クレイジーになればジョブズになれるわけじゃないと思う篠キチです、こんばんは。

インタビューは必要? 不要?

リーンスタートアップや顧客開発、最近よく耳にするグロースハックでもユーザーインタビューの話は必ず出てきます。エリック・リースのリーンスタートアップには「建物の外に出よ」と強く書かれていますし、スタートアップの成功事例の記事を読むと、たいていユーザーインタビューに関するエピソードが語られています。

僕もリーンスタートアップに取り組みながらこんなブログ記事も書いているインタビュー推奨派ですので、基本的にはこちらの立場です。

 

ところがマーケティングの世界では「顧客は自分が何が欲しいかなんてわかっていない」という話もよく聞きます。

自動車王ヘンリー・フォードの「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。」という名言をはじめ、スティーブ・ジョブズも「人は形になったものを見るまで、具体的に何が欲しいのかわからないものだ」と語っていますし、こっちはこっちでユーザーに話を聞くなんて時間の無駄と言ってるようにも思えます。

何が欲しいか聞くためにインタビューするわけではない

リーンスタートアップ系の本をちゃんと読み込んだ人には必要のない話ですが、ネット上で表面的に読んでいくだけだとこの2つの話は矛盾したものとして捉えられてしまうかもしれません。

 

1つ大切なポイントとしてあるのは、ユーザーにインタビューするのは何が欲しいかを聞くためではない、ということです。

特にリーンスタートアップが強く推奨しているインタビューは、ユーザーが抱えている課題が何なのかを見極めることが目的です。インタビューのやり方もアンケートみたいなYes/Noで回答を引き出すようなものを想像していると全く見当違いです。

こちらが訪ねるのではなく、ユーザーになるべく多く幅広く語ってもらうことが重要で、その中で自分が課題と考えている仮説とユーザーの思いとのズレがないかを確認したり、会話の中に垣間見える本当の課題のヒントをつかめるかどうかが大切なのです。

仮にユーザーに欲しいものをインタビューで直接聞いたりしたら、ヘンリー・フォードの名言にもあるようにそれは無駄に終わる可能性が高いですが、顧客の抱える本当の課題は何なのかを知ることが重要であるという点では、先に挙げた2つの話は実は同じことを言っているわけです。

それでもインタビューなんて時間がかかるからやるだけムダ、という話もちらほら見かけますが、これまでリーンスタートアップを実践してきて、インタビューはなんだかんだ時間がかかるように見えるけど結局「やっぱり聞いたほうが早い」というのが実感です。アタマの中で考えるだけで本当の課題にたどりつけてしまう天才肌の人がいるのも確かですが、少なくともそうではない僕にとっては仮にインタビューに3時間かかったとしても、聞かずに3時間考え込むより得るものが多いと感じています。

 

インタビューが目的でもない

かといってインタビューすることが目的化してしまうと、これまた本末転倒です。現実問題として課題を見極める目的のインタビューには慣れも必要ですし、良い結果を得るためには高い洞察力とかが求められるのも事実です。

僕の場合は本に書かれているインタビュー方法そのままのやり方ではなく、相手の方の都合が許す限りなるべく話題も拡散させて長時間話を聞かせてもらうようにしていました。教科書どおりにインタビュー人数を増やすのも大切ですが、1人から得る情報量も増やすことで、僕が課題を見極められるチャンスをなんとか増やそうと考えた結果です。

インタビューのやり方も人それぞれ工夫が必要だと思いますし、誰にでも得手不得手はあり、確認する内容によってはインタビューが最適とは限らないものもあるでしょう。インタビューを実践することはおすすめしますが、インタビューにこだわりすぎてこればっかり繰り返してしまわないことも大切です。何事もバランスが大事。

大切なのはユーザーの本当の課題が何なのかをきちんと見極めることで、インタビューが唯一無二の手段ではないということは覚えておかないといけません。でも、やってみるのはおすすめです。インタビュー。

 

 

※写真素材はフリー写真素材ぱくたそ現役グラドル茜さやさんフリー素材を使わせていただきました。

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篠キチ
Planner 篠キチ shinokichi

約3年半にわたり君臨したランチェスター最年長の座を譲り、今はただの猫・鉄道・Perfume好きな不惑おじさん。好きなスタバオーダーはクワットロベンティノーホイップソイホワイトモカ。