ファシリテーションのススメ
PICK UP POST

ファシリテーションのススメ

前回、仕事用マシンの一部キーがあぼんしたという話ししましたがリコール対象のようでした。電磁波じゃなかった。身に覚えのある方はこちらをご覧くだしあ。

会議上、ぼわーんとした議題でぼわーんとした結論でぼわーんと終わることありませんか。
大の大人が時間を割いて集まって議論すべき目的があるはずなのに持ち込んだPCで別作業してるとか、そもそも聞いてないとか寝てるとか、とりあえず次回、みたいな流れになって次回なったらなったで「なんでしたっけ?」状態に陥ったご経験ありませんか。
私はあります。ささやまです。

てかあれ?前回いきなりAWSネタつっこんでなかった?というそこのあなた。あれは残像の残像です。

ぼわーん地獄から抜け出そう

ぼわーん・・なにもかもぼわーん・・・視界さえも見えなくなってきた・・これは白昼夢・・ZZZ・・ハッ

結論が出ない会議は、何が論点で何をゴールとしていたのか、最初からぼわーんとしてること多いです。
別に会議中に話が飛び火して取っ散らかるだとかは構いません。とっ散らかった結果、別の角度から光明が差す場合もあるし、脳がほぐれたり、脱線は割と有意義になる場合が多いので、個人的には許容していいと思ってます。ただし、この脱線は本線に戻ってこれる場合のみになります。この本線が曖昧だと戻ってこれず、ぼわーんへの道を進みます。

また、稀に関係なさそうな意見が出たりもします。今年のドラフトは成功でしたね!とか言い出すと私が喜ぶだけですし、丸選手ってどこの球団行くのかな・・気持ちとしては広島に残ってほしいけど・・と、更なるぼわーんへの道を邁進します。

あれやこれやぼわーん地獄への落とし穴は多数存在していますが、これを制御するのはファシリテーターの役割になります。
ぼわーん地獄を抜け出したい場合、少しでもファシリタティブな手法を取り入れてみてください。

一筋縄ではいかないファシリテーションスキル

ある記事では、権威主義的な従来型リーダーシップでは組織がうまく機能しなくなってきており、インタラクティブなプロセスを重視するリーダーが求められてきている、とあります。ことIT業界においてはそもそも技術職な上、その範囲は広く技術以上のことも含めてかなりの情報量を必要とします。関わる全員が全てに精通することは不可能で、うまいこと組み合わせていく必要があり、それぞれの良いとこ取りして意思決定すべき、というのは同意します。

企業的な尺度だけではなくプロジェクト、チームという小規模単位においても同様です。

思うような結果が出ないとき、使いようによってはとても有利ですが、実践と結びつかないorうまくいかない。それは多くの思考フレームワークなどと同様で教科書どおりのセオリーで効果があるかないか、なんて時と場合に依存します。そもそも相手は人間ですし。

ということで、会議体を基準に、経験談と文献を踏まえて、ここから始められそうなファシリテート、というのを羅列してみます。

– 前準備

最低限以下を準備します。
時間、場所、要員の確保
目的
論点
ここで出したいゴールレベル

時間と場所、人の確保は当然ながら、議題アジェンダを明確に用意します。自分は本線が中央線のつもりでも総武線の話だった、などの齟齬のないようなネタを準備します。論点・目的・ゴールレベルはできるだけ具体的に、可能であれば動詞「XXする」まで落ちてると伝わりやすいです。各自自分の仕事を持っている以上、時間を割くことに対して妥当性をもたせることも必要です。

– 会議開始

前準備した内容の提示
参加者全員が当事者である前置きを提供

後者はできる時とできない時がありますが、できるだけやります。結構前にプロジェクトの振り返りでやったのは、利益率、不具合発生率、遅延率などの、覆せない事実のみの羅列です。要は振り返りって、リーダーとメンバーで中心的に見据えるべきものが若干違うため温度差がどうしてもあるので、関係者平等に認識可能なネタの上に、課題と思われていること、出したい次の解決施策案を「ToDoレベルで」出す、という具体的なものを共有するためです。

– 会義本戦

以下全ての平行して考える必要があります。

中立である
いざ会話が始まったらファシリテーターはあらゆる意見を中立に扱う必要があります。

ここ十二分に意識してないと無意識にでも自分の意見に誘導する、または都合のいいものだけを抜粋することがあります。「お前の作るスケジュールくそなんだよ」と言われても冷静に議事しときましょう。ごめんちゃい。中立であるということは、第三者の意見はまずはいったん受け止める、ということです。

また、特に人数が少ないとバイネームが出ることありますが、議論の対象が個人の人間性、価値観、性格などに依存し、会議体が破綻するという非常にハードなシチュエーションになります。個人のスキルの問題などであればそれは別途面談を設けたり、プロジェクトの役割分担や順序を変更してみたり、個別として検討するもので、晒しあげるような必要はありません。「そういうパターンがある」という若干抽象化した捉え方をするといいです。ちなみに私はバイネームは絶対やりません。個人名を推奨する時点で中立性を保てなくなることが一番の理由です。

俯瞰する
「とにかく今日の論点はこれである」を常に認識、全体を俯瞰します。脱線は本線に戻ってこれる場合のみ、としましたが、頃合いには引き戻す必要があるためです。
戻すと同時に、仮に脱線した際の発言が少しでもかすっている場合は「別の線においておく」も手です。そもそも会議体において発言する、という行為それ自体は友好的に扱った上で、かつその話を発信する理由があるはずなので本線とは別に検討事項になるかどうか、を後で反芻できるようにしておくと何かの役にたつかもしれないです。つい「今その話じゃねーから!」と邪険に扱ってしまうと発言率がさがるか、ネガティブ発言率があがります。

まとめる
ネガティブな意見もポジティブな意見も同様に議事、まとめを行います。この時、類似の発言をグループにしておくと、その発言内容の重要度が少し見えてきたりもします。数の民主主義が一番簡単ですからね。同じような意見が多ければそこをクリアにできれば大部分がクリアになる、という計算です。
ブレストなら好きに意見出しをし、その間議事と本線への引き戻しに集中してもらっても良いと思います。意見をまとめる場合、ニュアンスの違いがある可能性があるので、「こういうこと?」と差し込んでみるのも有効です。場が良い感じの時に水を差すのも何なので、ひとまず議事るだけ議事って頃合いでまとめて確認、でもって次なんだけどさーという進行にする場合もあります。正直ファシリテーターの臨機応変さにかかってると思いますが、少なくとも定期的にまとめて共有し、本線にいるんだよ、という認識をちょいちょい握った方がスムーズになります。

– 会議終盤

結論を出す
必ず何かの結論を提示します。仮に、最初に決めたゴールに到達していない場合でも「結論が出ていない」が結論で、合意を取れていない着地点を無理やり出す必要はないです。次につなげましょう。
ここ勝手にファシリテーターが納得するだけだと、最初に打ち出した「参加者全員が当事者である」と辻褄が合わないばかりか、そもそもねじ曲がる場合があります。

言葉の選択も大事で、「XXです」と言い切る必要があります。これよくあるんですが「XXだと思う」「XXなんだよね」的言い回しだとただの発言者の感想で、重要度は空気読んで解釈してね、と同義です。もうこの時点で曖昧です。ぼわーんです。これを避けるためにも、ちょっと自信無いかな・・?でも言い切ることが大事です。

いきなり完璧を求めない

さてこれら、実践しやすそうな最低限を羅列したつもりですが、いざ実践すると、色んなことを考え、気を配り、言葉や状況を選び、メンバー特性を加味し、判断し、それらを平行して思考する必要があり、もう帰りたい・・になります。効果のほどなんて、感覚的には打率3、4割、いって5、6割と思っておいてください。事実難しいのです。だって出版やン万もするセミナーがあるくらいですし、向き不向きや議題やメンバーとの関係性も関わってきます。

とはいえ、打率3、4割でも十分実務には有効で、打率0で進めるよりよっぽど皆幸せになれます。精度はあげればいいのです。
なお、普通に考えて教科書通りなんでいかないので、思考フレームワークとセットで試したりもしますが、それはまた気が向いたら書きます。

世でのファシリテーターという役割の重要性も上がってきてるらしいし、ちょっとでもイイカナ?と思ったら少しづつ取り入れてみる、とかどうでしょう。

かしこ。

TAG

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ささまる
プロジェクトマネージャー ささまる sasa

なせばなる感じでやってます。人生のモットーは自由です。まだ何か言わなきゃいけないですか?将来の夢は忍者になることですが、どこの忍者も20代健康な男子募集なので切ない思いをしてます。