予測と準備

予測と準備

篠キチ

キャプテン翼のオーバーヘッドキックをマネして日本中の小学生が骨折してた世代の篠キチです。こんばんは。サッカー中継見てるとブツブツ独り言がうるさいタイプです。

 

予測と準備の差

僕にはJ2でプロサッカー選手として活躍した後輩がいるんですが、彼がプロ契約する直前の半年ほどの間、どういうわけか同じ草サッカーチームで一緒にプレーしていたことがあります。

同じチームとはいえプロになるくらいですから僕なんかとは段違いに上手いわけですが、彼にあるとき「僕と篠キチさんの違いは技術の差じゃないですよ。予測と準備の差です。」ということを言われました。

最初は彼が何を指してそう言っているのかわかりませんでしたが、それを言われてから彼のプレーを注意深く見るようになると、だんだんその意味が理解できるようになりました。

 

まず、相手の動きやパスに対する対処の早さ、いわゆる出足の速さが全然違いました。対処というより、まるでそうなることがわかっていたかのような動き出しを彼はするのです。一度気づくと、その早さはまるで魔法か何かのようにさえ感じました。

さらに、彼がボールから離れている状態での周囲の状況を確認する頻度、そしてポジションや体の向きを微調整する回数がまるで違うことに気づきました。味方に指示を出すタイミングも当然早く、状況によっては指示の理由がその時点では全くわからないということもありました。予測が早すぎて僕の頭が追いつけないのです。

 

確かにこれは技術の差ではありません。

彼がボールを持ったときの技術、スピード、パワー、どれを取っても僕とは比較にならない差はありますが、実はボールを持つ前に既に彼と僕には大きな差がついていたわけです。

次に起こりうるプレーについて僕より遥かに多くのパターンを想起し、その中で起こる確率の高いプレーを素早く判断し、そのために最適な準備を的確に行う、彼はこれをボールがないときに常に頭と体をフルスピードに使って繰り返し行っていたのです。彼が誰よりも早く的確なプレーをするために動き出せていたのは、このおかげでした。まさに「予測と準備」の差です。

そしてこれは、サッカーの技術がない僕でも努力すればできることです。彼が本当に言いたかったのはそのことだったのかもしれません。

 

マネジメント力の違い

さて、なぜこんな昔話をブログに書いたかというと、最近の業務でふと気づいたことが、この「予測と準備」の話とつながるなと思ったからです。

プロジェクトを滞りなく進行させようと思ったとき、その計画全体を取り仕切る役目の人が必要です。いわゆるプロジェクトマネージャです。

そのプロジェクトマネージャの仕事は、まず問題点を早々に見極め、状況を的確に整理し、常に先手を打って事前対処を行っていくということ、それをひたすらプロジェクト完遂まで繰り返す。これが全てではありませんが、このサイクルの質が重要なように思います。

プロジェクトマネージャの仕事の出来で、プロジェクト全体を通しての雰囲気や成果物の完成度はガラッと変わります。優秀なプロジェクトマネージャがいる現場は関わっている人の幸福度まで変わってくるほどの差を感じます。この差はまさに僕が後輩に教えられた「予測と準備の差」と同じだなと、最近思うようになりました。

 

現場では全員が主役

でも、この「予測と準備」を繰り返して現場を支えていく能力は、プロジェクトマネージャだけに求められるものなのでしょうか。

サッカーの例に限らず「予測と準備」は実は誰にでもできることだと思います。でも、それを本当にやることができるか、やり切れるかどうかは本人次第。この差がプロの現場で必要とされるマネジメント力の差と言ってもいいでしょう。

しかし、サッカーの試合でこの「予測と準備」をしているのは1人ではありません。選手の役割はポジションによって当然異なりますが、レベルの高い試合になればなるほど、フィールドにいる選手全員が非常に高いレベルでこれを行っています。

プロジェクトの現場ではどうでしょう。

チームのメンバーの役割もサッカー同様にそれぞれ異なります。技術や能力の差も当然あるでしょう。でも、チームとして目的に向かって頑張るという点では、サッカーの試合もプロジェクトの現場も大きな差は無いように僕には感じられます。

であれば、サッカーと同様に関わるプレーヤー全員が「予測と準備」を行い、まずは自分のプレーの質を上げるところから取り組み、余裕のある人はプロジェクト全体に目を配って業務に取り組むことができれば、プロジェクトの質は段違いに上がり、自ずと結果もついてくるのではないかと思います。

そして前半にも書いたように「予測と準備」のレベルを上げる努力はいますぐ始められるものです。プロジェクトの一員として、プロジェクトを成功させたいと本気で願うなら、取り組まない理由はないはず。始めて損することは何もありません。

 

Let’s begin.(やっぱりおっさん

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篠キチ
篠キチ

プランナー

社会人生活の半分くらいを新規事業やサービスの立ち上げに費やしてるうちに、人生が半分終わってしまった不惑の最年長。猫好き、鉄道好き優遇。好きなスタバオーダーはクワットロベンティキャラメルソイラテ。

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