リーンスタートアップにおけるインタビューの有用性

リーンスタートアップにおけるインタビューの有用性

こんにちは。贅肉という名の服がなかなか脱げない篠キチです。

 

代表の田代がブログに書いているように、僕が担当している自社サービス立ち上げのプロセスに『リーンスタートアップ』の考え方を取り入れています。

といってもまだ始めたばかりで手探りな部分が多く、日々勉強しながら実践している毎日です。

リーンスタートアップに関しては最近話題になることも多く、書籍も多く出ています。ですが、おそらく本を読むだけではピンとこないことが多いんじゃないかと思います。

僕もそうでした。

最初は事業アイデアを整理するツールとして『リーンキャンバス』を取り入れるところから始めたのですが、それ以降のプロセスについて、特にリーンキャンバス作成後の次のステップになるインタビューの効果に関しては懐疑的でした。

リーンキャンバスのアイデア検証ツールとしての有用性はすぐ理解できたのですが、キャンバスが描き上がるころには競合調査もマネタイズの検討も一通り済ませているので、この時点でもう情報収集は十分と思えたし、何よりインタビューは手間がかかるし面倒だし大変です。スピードを重視するなら早く世の中に出してユーザーに使ってもらい、そのフィードバックをもとに改良を重ねるほうが絶対にいいだろう、と。この考え方はこの数年のWebやアプリ業界では一般的だったようにも思います。

 

ですが実際にリーンスタートアップのプロセスに則ってインタビューをやってみると、想像以上の効果を感じることができました。

いろんな人と話をすれば日々発見があり新しいアイデアにも巡り会える、これは当然なんですが、最も有用だったのはリーンキャンバスでまとめたビジネス案のいくつかに、僕の思い込みによる勘違いや矛盾、方向性のズレといった問題点があったことをすぐに発見でき、考え直すことができたことです。そのおかげで、実際に開発に着手する前にキャンバスの内容を洗練することができました。

もし以前の僕の考え方のまま突き進んでいたら、それに気づくのは開発が始まった後。開発途中で気づいてやり直しできればまだマシですが、気づくことなく開発を進めてリリースした結果、そもそも出発点から間違っていたなんてことになったら目も当てられません。時間もお金もムダにしてしまいます。付き合わされた開発の人たちもたまったものではありません。

しかし、こういうことは比較的よくある話のような気もします。珍しい出来事には思えません。以前の僕と同じく、世に早く出すことが正義、であるかのような考えに固執してしまうと、このムダも必要なことのように考えてしまいがちです。

ですが損失は少ないに越したことはありません。このよくある話を解決できる方法があるなら、取り組んでみる価値は大いにあるはずです。ロスが出るのは仕方ないとしてもそれを最小限にするために、間違いに早く気づいて素早く方向転換をしなければいけない、という考え方は非常に理にかなったものですし、そのためにインタビューが有用なのであればためらわずに取り組むべきです。

もちろんこのプロセスを経たからといって、考えたビジネスが必ず成功するわけではありません。ただ、成功確率を大きく上げることができるのは間違いないはずです。

ビジネスを成功させるためには数多く打席に立つことが必要だという話はよく聞きます。しかし、やみくもにバットを振り回すだけではホームランもヒットも単なる運任せになってしまいますし、何回もただ打席に立つだけで一定確率でホームランの権利がもらえるわけでもありません。打席に立つ以上は打率を上げる準備と努力を徹底的にやっておく必要があるし、もっと言うと打席に立っている最中にも1球1球見極めて、打率を上げる努力を続けていなくてはいけない。そうやって短いサイクルでトライ&エラーを繰り返しながら積み上げていくことが大切なんだなと、実際に取り組んでみて感じました。

TAG

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
篠キチ
Planner 篠キチ shinokichi

約3年半にわたり君臨したランチェスター最年長の座を譲り、今はただの猫・鉄道・Perfume好きな不惑おじさん。好きなスタバオーダーはクワットロベンティノーホイップソイホワイトモカ。